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2010年代前半 Part.2
花束/back number
神聖かまってちゃんほどではないものの、やはり「ロック」というと荒々しいイメージがまだまだ強かった2010年代。
そんなイメージをガラリと変えた楽曲といえばback numberの「花束」ではないでしょうか?
同曲は歌詞だけを見ると、まるでJ-POPのようなラブソング。
「恋する女性ウケ抜群!」という感じですが、その一方でイントロのギターサウンドはなかなか厚みがあり、“正統派ロック”を感じさせます。
間奏部分のギターソロも聴いていて心地が良く、演奏する姿もまさにロックンローラー。
それでいて優しい歌声はロックに馴染みがなくても聴きやすく、心を掴まれた人もたくさんいたはず。
back numberはこの後も「高嶺の花子さん」「クリスマスソング」など、“サウンドはロックだけど歌詞はそこまでロックじゃない”という絶妙な続々と楽曲をリリースし、邦楽ロックに興味がなかった層を引き込むきっかけを作りました。
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愛の標識/クリープハイプ
邦楽ロック好きにとってもなかなかセンセーショナルだったのが、クリープハイプの楽曲「愛の標識」。
「男なの?女なの?」と一瞬混乱してしまうようなハイトーンボイス、そしてロックンローラーらしくない女々しさ漂う歌詞に、驚いた人は少なくなかったはず。
とはいえ、スピード感のあるサウンドはしっかりロック。
メロディアスなイントロ、最後のサビの前に急に現れる間など、音楽としての聴きごたえもたっぷり。
ライブでは拳を上げたり周りと揉みくちゃになったりしながら盛り上がりやすく、ライブやフェス等でも人気の一曲となりました。
そしてなんとも癖になるのがボーカル・尾崎世界観の歌声。
ONE OK ROCKのtakaやUNISON SQUARE GARDENの斎藤宏介など、これまでもハイトーンボーカルはいたものの、また一味違う歌声で唯一無二。
絶対真似できないのに、カラオケに行くと思わず真似したくなってしまうなんて人も多いのでは?
独特な歌声、そして独特な世界観の歌詞で、「愛の標識」は邦楽ロック界や邦楽ロック好きに大きなインパクトを与えた楽曲となりました。
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ワタリドリ/[Alexandros]
ここまでに紹介したバンド等の活躍もあり、2010年代半ばになると徐々に邦楽ロックシーンが賑わい始めます。
特に野外音楽フェス等はこれまでになかった盛り上がりを見せ、元々邦楽ロック好きではなかった層も多く参加するようになりました。
ではなぜ邦楽ロック好き以外の層が邦楽ロックに興味を持つようになったのか。
そのきっかけの一つと考えられるのが、泥臭さのないスタイリッシュなロックバンドの台頭です。
そしてその代表的存在&名曲とも言えるのが[Alexandros]の「ワタリドリ」。
特に、イントロのおしゃれで爽やかな感じ、疾走感、そしてロックさは、これまでの邦楽ロック界にあまりなかった雰囲気と言っても過言ではありません。
冒頭の英詞もスタイリッシュさを感じさせますが、その後の歌詞はいわゆる“ロックバンド”らしい熱い歌詞であるため、邦楽ロック好きの心もしっかりと掴みました。
同曲はCMソングに起用されたのも、様々な層への認知度が高まったポイント。
オリコン週間ランキングでは5位にランクインするなど、名実ともに邦楽ロックの名曲になったと言えるでしょう。
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