2020年9月18日に配信リリースされた嵐の最新デジタルシングル「Whenever You Call」。
“現代のマイケル・ジャクソン”と呼ぶ人もいるほど音楽界に名を馳せるブルーノ・マーズが全編英語歌詞で書き下ろしたことで解禁前から大きな注目を集めていた同曲は、同月28日付のBillboard JAPANダウンロード・ソング・チャート“Download Songs”で58,989ダウンロードを売り上げて2位以下に大差をつけて初登場1位を記録し、話題になっています。
ここで改めて振り返りたいのが、ジャニーズ事務所所属タレントたちによってこれまでリリースされてきた楽曲。
実はこれまでも大物アーティストに手掛けられて誕生したジャニーズソングは数多く存在するのですが、案外その事実を知られていないものばかりなんです。
今回は、大物アーティストとのタッグで誕生したジャニーズのヒットソング15選を意外性の高い順にご紹介していきたいと思います。
目次
大物アーティストとのタッグで誕生したジャニーズのヒットソング15選
①「硝子の少年」 Kinki Kids/山下達郎(作曲)
1997年にKinki Kidsのデビューシングルとしてリリースされた「硝子の少年」を作曲したのは、シンガーソングライターや作曲家、音楽プロデューサーとして日本の音楽界でマルチに活躍する山下達郎さん。
山下さんの代表曲と言えば、毎年冬になると必ずと言って良いほど耳にする名曲「クリスマス・イブ」が有名です。
そんな彼が手掛けた「硝子の少年」は、歌唱力の高さを誇るKinki Kidsの安定感ある歌声、どこか懐かしい雰囲気を纏ったメロディーが見事にマッチし、ファンでなくとも聴いているうちに引き込まれてしまうような魅力溢れる1曲。
全編を通してリズムを取りやすいテンポの曲調であることから現在でもカラオケの定番曲となっており、世代を超えて多くの日本人に愛されています。
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②「宙船」 TOKIO/中島みゆき(作詞・作曲)
2006年にTOKIOの通算35枚目のシングルとしてリリースされた「宙船」は、「糸」や「地上の星」等、世間的な認知度の高い数々の名曲を生み出した女性シンガーソングライターの中島みゆきさんによって作詞・作曲を手掛けられました。
彼女にとって、初となるジャニーズ事務所所属タレントへの楽曲提供ということで当時の反響は非常に大きく、TOKIOのメンバー・長瀬智也さん主演の日本テレビ系列のドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』の主題歌にも起用されたことも相まって一世を風靡するほど大ヒット。
自分を信じることの大切さに加え、それに伴う責任の重さがはっきりと伝わってくる「おまえが消えて喜ぶ者におまえのオールをまかせるな」というフレーズをはじめ、力強い歌詞を彩るメロディーもタイトルの「宙船」が漂う水の激しさを感じさせるが如く、爽快なイメージを覚えます。
中島さん本人によるセルフカバー版も大好評を博しましたが、今でも彼女が手掛けた事実を知って驚くジャニーズファンは続出しているようです。
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③「愛なんだ」 V6/玉置浩二(作曲)
1997年にV6の通算5枚目のシングルとしてリリースされた「愛なんだ」の作曲を手掛けたのは、ロックバンド「安全地帯」のボーカリストでデビュー当時から作曲家としても活躍し続けている玉置浩二さん。
前年に放送されたフジテレビ系列のドラマ『コーチ』でV6のメンバー・井ノ原快彦さんが玉置さんと共演した際、自分たちのために曲を作って欲しいという旨のお願いをしたことが本曲誕生のきっかけとなりました。
何かを始める時の一歩を踏み出せない人たちに向け、支えてくれるひとたちの“愛”が最強の武器であることを伝える前向きなメッセージが込められた歌詞に元気づけられます。
テンポ良く歌いやすいサビ部分は盛り上がり必至。
当時から現在までにかけ、後輩ジャニーズJr.にも歌い継がれるV6史上最大のヒット曲です。
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④「Real Face」 KAT-TUN/スガシカオ(作詞)・松本孝弘(作曲)
ジャニーズJr.時代から人気があり、デビューを切望されていたメンバーたちがKAT-TUNとして2006年にリリースした待望のデビューシングル「Real Face」。
シンガーソングライター、音楽プロデューサーとして多数のヒット曲を輩出してきたスガシカオさんによる作詞、ロックバンド・B’zのギタリストを務める松本孝弘さんによる作曲で完成した大変豪華な1曲です。
スガさんの代表曲と言えば、積水ハウス「シャーメゾン」のCMソングとしてお馴染みの「午後のパレード」。
夏にピッタリのお洒落なサウンドは、いつになっても色褪せないと評判です。
他曲は同曲とイメージの異なるものが多いですが、どんなジャンルも見事に形にしてしまうその音楽センスは音楽界において絶大な評価を獲得しています。
そんな彼の紡ぎ出した歌詞、重厚なロックサウンドで定評のあるB’zの要素を含むメロディーの融合によって生まれた「Real Face」は、KAT-TUN初期の“激しいロック”というイメージをダイレクトに映し出している楽曲です。
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⑤「We are SMAP!」 SMAP/太田光(作詞)・久石譲(作曲)
2010年に発売されたSMAPの通算19枚目のオリジナルアルバムと同名のリードナンバー「We are SMAP!」を作詞したのは、お笑いタレント・爆笑問題の太田光さんです。
以前からSMAPのファンを公言していた彼ですが、まさか楽曲提供者という立場でメンバーたちと異色のタッグを実現するなんて誰も想像していなかったはず。
タイトル、メンバーのことを踏まえて書いてほしいという依頼を受けた後、1週間で歌詞を完成させたという太田さんのSMAP愛には脱帽です。
作曲に至っては何と日本が誇る作曲家・久石譲さんによって手掛けられ、およそ7分半の間にバンドやオーケストラが織り成す壮大な世界観はアルバムの1曲とは思えないようなクオリティです。
久石さんといえば、スタジオジブリによる長編アニメーション映画への楽曲提供でもお馴染みですが、お笑いタレントの“ビートたけし”こと北野武さんが監督を務めた1999年公開の映画『菊次郎の夏』のメインテーマに使用された「Summer」こそ彼の代名詞と言われています。
⑥「MUSIC FOR THE PEOPLE」 V6/秋元康(作詞)
1995年にリリースされたV6のデビューシングルにして、同年開催のフジテレビ系列『バレーボールワールドカップ1995』のイメージソングにも起用された「MUSIC FOR THE PEOPLE」。
同曲を皮切りに、ジャニーズが毎年『バレーボールワールドカップ』のイメージソングを務めることが定番化されました。
作詞を手掛けたのは秋元康さん。
秋元さんは、おニャン子クラブのほかAKB48や坂道シリーズのプロデューサーとして有名ですが、実は女性アイドルグループ以外にも幅広いジャンルのアーティストに楽曲提供を行っています。
彼の世界観が満載の歌詞には、青春時代真っ盛りの主人公が年齢にそぐわないほどの重いものを背負っていてそれに打ち勝ちたいという強い思いが込められている印象。
それまでジャニーズソングに多かったポップなイメージを覆すようなテクノ感がファンの心を掴み、「愛なんだ」に次ぐ売り上げを誇るヒット曲となりました。
⑦「Keep the faith」 KAT-TUN/氷室京介(作詞・作曲)
2007年にKAT-TUNの通算5枚目のシングルとしてリリースされた「Keep the faith」は、ロック界のカリスマとして知られる氷室京介さんに作詞・作曲を手掛けられた楽曲。
KAT-TUNの元メンバー・赤西仁さんが、初の単独主演を飾ったドラマ『有閑俱楽部』の主題歌にも起用されました。
氷室さんによれば、前年に自分自身を見つめ直すために突然の活動休止を発表して日本を飛び出し、ロサンゼルスに移住した赤西さんを20代の頃の自分と重ね合わせた際の感情がそのまま歌詞に映し出されているそうです。
彼が作詞に携わるのは4年7か月ぶりということで、久々に制作した曲はジャニーズに向けられたものであることが世間に知らされた際は、大きな話題となりました。
ちなみに、2008年に氷室さんのソロデビュー20周年を記念して発売されたベスト・アルバム『20th Anniversary ALL SINGLES COMPLETE BEST JUST MOVIN’ON ~ALL THE-S-HIT~』には、セルフカバー版の「Keep the faith」が収録されています。
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⑧「雨傘」 TOKIO/椎名林檎(作詞・作曲)
2008年にリリースされたTOKIOの通算39枚目のシングル「雨傘」。
メンバーの松岡昌宏さん主演の日本テレビ系列ドラマ『ヤスコとケンジ』で主題歌に起用されたことでも話題になりましたが、本曲を提供したのは女性シンガーソングライターかつロックバンド・東京事変のボーカリストとしても活躍中の椎名林檎さんであることをご存知でしょうか。
自身と同じくバンドとして活動するTOKIOへの提供曲ということで、制作段階では「身近なところにひらめきの要素があるように感じていた」のだとか。
本曲を通して伝えたいメッセージを最大限まで表現するために“キーの高さ”にとことんこだわられており、レコーディング時も椎名さん本人が立ち会ってTOKIOのボーカリストである長瀬智也さんがギリギリまで出せるハイトーンボイスを共に模索したそうです。
逆境を“雨”に例え、自分を信じて前に進んでいくことの重要性をまとめた椎名さんの個性が光る歌詞にメンバーたちの“男の色気”がプラスされることで、今までのTOKIOにはなかったナンバーが誕生しました。
こちらは、椎名さんのデビュー15周年となった2013年の締めくくりとして発売されたアルバム『逆輸入~港湾局~』に収録されているセルフカバー版の抜粋です。
作詞・作曲とも手掛けた本人による歌唱ということで、自身の世界観が見事に表現されている印象を受けます。
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⑨「WAになっておどろう」 V6/長万部太郎(作詞・作曲)
1997年にV6の通算7枚目のシングルとしてリリースされた「WAになっておどろう」は、バンド・AGHARTAのギタリストでソロでもシンガーソングライターやミュージシャン、音楽プロデューサー等、マルチに活躍する「長万部太郎」こと角松敏生さんに作詞・作曲を手掛けられた楽曲です。
元々は同年放送のNHK『みんなのうた』のために制作されたものでしたが、話題性の高さからV6によるカバー版のリリースが決定され、さらに翌年の『長野オリンピック』のテーマ曲にも選出。
同オリンピックの閉会式では、長万部さん自らAGHARTAとして生中継でライブ演奏を披露し、その模様は配信形態で全世界に届けられました。
2020年には昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響で“おうち時間”が増加した世の中の動向を懸念し、テレビ朝日系列の音楽番組『ミュージックステーション』とジャニーズ事務所が “皆が家で踊って楽しめるダンス”をコンセプトに「WAになっておどろうプロジェクト」というコラボレーション企画をスタート。
同企画名の如く、ダンス用ソングには「WAになっておどろう」が用いられ、現代を生きる子供たちにも広く知られるきっかけとなりました。
⑩「復活LOVE」 嵐/竹内まりや(作詞)
2016年に嵐の48枚目のシングルとしてリリースされた「復活LOVE」は、現在も日本の音楽界の第一線で活躍する竹内まりやさんによって作詞を手掛けられました。
当時、嵐の楽曲を有名アーティストが手掛けることは珍しく、本曲をターニングポイントとして今後の方向性を変えていこうというメンバーたちの意思が見受けられると大きな話題に。
これまで嵐が歌ってきた甘いラブソングと異なり、普遍的な男女の関係を描写したリアリティある歌詞やサビを跨ぐ度に移り変わっていくストーリー性のあるフレーズが特徴で、それらには5人で響かせるハーモニーよりも各自の歌声が際立つよう考慮されたパート分けとの相性抜群の印象を受けます。
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⑪「夏疾風」 嵐/北川悠仁(作詞・作曲)
2018年に嵐の55枚目のシングルとしてリリースされた「夏疾風」の作詞・作曲を手掛けたのは、爽やかで好感度の高い音楽性に定評のある男性デュオ・ゆずの北川悠仁さん。
元々、同年開催の『全国高等学校野球選手権大会』が100回目を迎えたことを記念し、「ABC夏の高校野球応援ソング」として制作された楽曲であったほか、テレビ朝日系列の高校野球ダイジェスト番組『熱闘甲子園』のテーマソングにも起用されました。
青空の下に広がる甲子園球場で繰り広げられるひと夏の青春を描写した歌詞には、まさにゆずの2人が歌唱する姿を彷彿とさせられますが、嵐のファンの中にも北川さんが手掛けていることを知らない方が多いようです。
ゆずの色を出しつつも、嵐のイメージや歌声に最も合うよう意識された仕上がりとなっており、北川さんの作詞者としてのレベルの高さを感じます。
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⑫「瞳の中のGalaxy」 嵐/藤井フミヤ(作詞・作曲)
2004年に嵐の13枚目のシングルとしてリリースされた「瞳の中のGalaxy」の作詞・作曲を手掛けたのは、ダンス&ボーカルグループ・DA BUMPのリーダーを務めるISSAさん、女性歌手のMISIAさん等、幅広いアーティストに楽曲を提供してきた藤井フミヤさんです。
藤井さんは意外にもジャニーズ事務所所属のタレントに提供した作品が多く、嵐の他にもV6やタッキー&翼、Kis-My-Ft2の楽曲制作に携わっています。
公式音源があるものは以下にリンクを貼っておくので、チェックしてみてください。
「GENERATION GAP」 V6
「翼の設計図」 V6
※こちらはV6が歌う公式の音源がなかったので、藤井さんのセルフカバー版になります。
「君を大好きだ」 Kis-My-Ft2
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⑬「恋のシグナル」 V6・Coming Century/松任谷由実
V6の森田剛さん、三宅健さん、岡田准一さんの3人から成るComing Century(以下、カミセンと省略)のベストアルバム『Best of Coming Century~Together~』の収録曲である「恋のシグナル」の作詞・作曲を手掛けたのは女性シンガーソングライターの松任谷由実さん。
スタジオジブリが制作した長編アニメーション映画『魔女の宅急便』のオープニングテーマ「ルージュの伝言」やエンディングテーマ「やさしさに包まれたなら」のほか「春よ、こい」、「ひこうき雲」までどこか懐かしい名曲を多数輩出してきた彼女ですが、森永チョコレート「小枝」のCMソングに起用された本曲は“彼女への変わらない愛”を歌う可愛らしいポップチューンに仕上がっています。
松任谷さんのイメージとは異なる印象を受けますが、カミセンの魅力を引き出すにはピッタリ。
歌い手に寄り添ったハイクオリティな楽曲です。
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⑭「僕らの街で」 KAT-TUN/小田和正(作詞・作曲)
2006年にリリースされたKAT-TUNの通算3枚目のシングル「僕らの街で」。
メンバーの亀梨和也さん初の主演作で、元メンバーの田中聖さんも出演する日本テレビ系列ドラマ『たったひとつの恋』の主題歌に起用され、KAT-TUNにとって初のタイアップ曲となりました。
そんな記念すべき本曲を手掛けたのは、シンガーソングライターやミュージシャンとして活躍中の小田和正さん。
これまでも大勢のアーティストとのコラボレーション曲やCMソングを輩出し、各世代からの人気を獲得してきた彼ですが、ジャニーズ事務所所属タレントに楽曲提供をするのは初めてだったといいます。
恋人と出会い、今も一緒に生きている「僕らの街」が何にも代え難い大切なものであることを歌っている歌詞は、“恋”をテーマにしたドラマのストーリーと見事にマッチ。
ドラマのロケ地である横浜で撮影されたMVも併せ、当時ファンの間で大きな反響を呼んだ楽曲です。
⑮「AMBITIOUS JAPAN!」 TOKIO/なかにし礼(作詞)
2003年にTOKIOの通算28枚目のシングルとしてリリースされた「AMBITIOUS JAPAN!」の作詞を手掛けたのは、作詞家のなかにし礼さん。
美空ひばりさんの「終わりなき旅」、島倉千代子さんの「愛のさざなみ」のように世代を超えて愛され続ける名曲の作詞にも携わった経歴があり、TOKIOとのタッグが発表された際は多くの期待の声が寄せられました。
タイトル同様、歌詞中にも「Be ambitious!」等のように英語歌詞が織り交ぜられ、現代でも受け入れられそうな要素が満載の曲です。
ジャニーズなのに一般的なバンドと同じく高い演奏スキルを持ち合わせている彼等ならではの音楽との向き合い方を重視し、当時から大物アーティストを起用することでロングヒットを狙おうとしていた意図が読み取れます。
最後に…
以上、大物アーティストとのタッグで誕生したジャニーズのヒットソング15選を意外性の高い順にご紹介してきました。
以前から知っている楽曲が、実はあの有名アーティストに手がけられているという事実を始めて知って驚いた方も多いのではないでしょうか。
今回ご紹介し切れなかったジャニーズソングの中にも、意外性の高いタッグはまだまだ多数存在します。
自身のお気に入りの曲の制作者が誰なのか、興味があれば是非調べてみてください!