神はサイコロを振らない – 人気曲10選!TikTokで話題になったあの曲も?

神はサイコロを振らない – 人気曲10選!TikTokで話題になったあの曲も?

2022年3月にメジャー1stフルアルバムをリリースした”神サイ”こと神はサイコロを振らない。2ndシングルにしてタイアップを獲得するなど話題に事欠きません。

そんな彼らの特徴は、SNSでの活動も重視すること。SNS上でバズることで人気を博している彼らのその戦略の背景とは?彼らのSNS戦略にも触れつつ、これまで話題となった楽曲を取り上げていきましょう。

神サイのSNS戦略

彼らの特徴は、SNSを重視していること。新曲のSNS先行配信TikTokを活用するなどSNSでの発信を他のアーティスト以上に大切にしています。

コロナ禍でツアーがすべてキャンセルになった2020年春ごろよりTikTokを活用しはじめたという彼ら。ライブ以外での発信の場を求めた結果、TikTokという場所に落ち着いたそう。そして彼らが重視したのは、決してSNSに音楽の話題ばかりをあげないこと。

ちょうど彼らがSNSに注力し出した2020年の春と言えば、星野源が「家で踊ろう」をアップするなど多くのアーティストがSNSやインターネット上での活動を模索していた頃。周りと同じでは埋もれると考えた神サイは、自分達に興味をもってもらうためにTikTokを使いはじめます。

あげているコンテンツは、いわゆるインフルエンサーがアップするような日常を切り取ったものや面白動画がほとんど。「音楽系より日常や面白い動画のほうが多く視聴される」と話しています。

アーティストとしての彼ら以外を思いきり出し、偶然辿り着いたユーザーが彼らの楽曲に触れる。音楽もCDではなくサブスクリプションで聞くSNS世代の若者にこの戦略は大正解!事実、彼らの名前を轟かせるきっかけとなった「夜永唄」はTikTokなどSNSでバズったことから人気に火がつきました。

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TikTokでの話題曲も!人気曲10選

SNSでの活動に限らず、アーティストとしての活躍も目覚ましい彼ら。先日リリースされたフルアルバムにも収録されている楽曲も含め、人気の楽曲を10曲ご紹介します!

夜永唄



彼らの代表曲であり、「SNSでバズった曲」の典型例です。リリースは2019年。ミニアルバム「ラムダに対する見解」の収録曲です。

この曲の人気に火がついたのは、神サイ自身がSNSに注力しはじめた2020年春ごろ。各インフルエンサーが彼らなりに歌詞や曲を解釈して歌詞に合わせた動画をアップし、時には弾き語り等でカバーされ、時には踊ってみた動画のBGMと化す…。あらゆる形で楽曲が使われ、多くの人の目に触れたのです。

この人気に、TikTok初心者であった神サイ本人も便乗します。TikTokにて「#本人が踊ってみた」動画をアップ。切ない曲を歌っていたのかと思うほどユーモア溢れる動画は、SNS上での更なる注目を浴びることとなりました。

この影響で2020年4月のSpotifyの日本バイラルチャートトップ5にランクイン。LINE MUSICでも邦楽ロックチャート1位に君臨し、バンドマン・神はサイコロを振らないを世に知らしめました。

巡る巡る


この楽曲は夜永唄以上に、SNSとのつながりが深い楽曲です。というのも、彼らが活動のプラットフォームとしているTikTokの2021年春のCMテーマソングだから。

リリースされた2021年春ごろといえば、世間でもウィズコロナに向けた動きも少しずつ垣間見られた時期。コロナ禍での活動方法を見いだし、音楽だけでやっていけるようになった彼ら自身とも被ったのでしょう。新しい季節を迎え、心身ともに前向きな気持ちを歌うという、彼ららしくないとも言える楽曲となっています。

彼らの楽曲の中でも比較的ポップな曲調で、入門としては聞きやすいのが特徴。YouTubeの公式チャンネルにあがっているPVのコメント欄には「元気がない時によく聞いている」という声が多数あり。またリリース時期が4月と新生活が始まるシーズンだったこともあり、「新社会人ですが、この曲を毎日聞いて頑張ろうと思っている」といったコメントも。

同じように新生活が始まる季節となった今、改めて聞きたい1曲です。

MEMO

SNSで注目されやすい彼ら。意図的にSNSでバズる曲を書くことはあるかとあるインタビューで聞かれているのですが、その答えはNO。たくさんの人に注目されるべくキャッチーである必要はあるものの、最初からバズる曲作りは難しいと答えています。多くの動画クリエイターが”バズる”と思ってアップした動画があまり伸びないのと同じと例えています。

彼ら自身も、バズることを狙って上げた動画が不振で終わった経験が多々あります。それもあって、狙ってなにかをすることの難しさは痛感しているのでしょう。

初恋


この楽曲は彼らにとって初めてのコラボ曲。そのコラボレーション相手がBiSH/PEDROのアユニ・Dヨルシカのn-bunaという超豪華なメンバーとなっています。

「外部からの刺激がほしい」と楽曲の共作を検討し始めた時に、最初に名前が挙がったのがギターの吉田の知り合いだったn-bura。まずは彼と一緒に楽曲制作を行っていたのですが、楽曲を仕上げていく中で優しく温かい歌声を持つ女性ボーカリストがほしいということになったそうです。そこでアユニ・Dが候補に挙がりアプローチをかけたのだとか。

BiSHでの歌い方をイメージすると、「優しく温かいといわれると、ちょっと違うのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、そこは流石プロ同士の仕事。ボーカルの柳田がうまく誘導し、これぞ!という1テイクを作り上げることに成功しています。

これ以降、4曲連続でコラボ曲をリリース。次に紹介する曲も、このコラボ強化期間中に作られた曲です。

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愛はけだもの


「初恋」に続くコラボ楽曲です。コラボ相手はシンガーソングライターのキタニタツヤ。元々吉田とキタニはデビュー前から知り合いで、今回のコラボも彼ら発信で話が始まっています。歳も近く、アーティストとしてのキャリアも近いことから一種のライバルともいえる関係なのだとか。事実「夜永唄」のリバイバルヒットは、キタニにとって悔しいものだったと話しています。

歌詞も神サイだけでは作れないものとなっています。キタニと柳田がほぼ即興で形にしているのですが、テーマは「キング・オブ・クズ」。男に翻弄される女性の目線で作詞。何も知らない人が曲を聴いて「歌詞を書いた人はひどい男だ」と評価されるくらい、エロさ・クズさともに歌詞から溢れ出ています。

キタニタツヤのファンキーさと、神サイのロック。「新しい風を入れたい」と始めたコラボ曲の連続リリースですが、その中でもいい意味で彼ららしくない1曲となっています。

MEMO

2021年12月には渋谷クアトロでツーマンライブ「Hugs vol.2」を開催しました。これはキタニが主宰し、様々なバンドを招き行っている対バンライブ「Hugs」の第2弾。双方のファンにとっては待望のライブで、セットリストにはもちろん「愛はけだもの」も含まれていました。

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泡沫花火(うたかたはなび)


2020年にリリースしたメジャー1stシングル。「THE FIRST TAKE」でも披露し、話題となっていました。

夏場のリリースということを事前に聞き、リリース時期にフォーカスして作り上げた1曲です。ボーカル柳田がかつて付き合っていた年下の女性目線で書き上げています。柳田目線の事実と、当時の彼女に思いをはせた想像部分を組み合わせて完成した切ないラブソングです。

メロディは、リリース当時彼らの代名詞だった「夜永唄」とは大きく異なっています。ロック色は抑え、ピアノやストリングスも多め。ノスタルジーを感じる仕上がりになっています。

MEMO

アインシュタインが残した言葉からバンド名を名付けたことはご存知の方も多いですが、彼らの曲の特徴の一つが歌詞の言葉選び。読み方が難しい言葉も所々出てきますが、その語彙の出所は楽曲制作の主軸を担うボーカル・柳田が読む本にあります。柳田が影響を受けた本として取り上げているものの中に太宰治の「人間失格」があるなど、近代文学から現在小説や漫画まで手広く本を読んでいます。

REM


こちらは「夜永唄」同様、ミニアルバム「ラムダに対する見解」に収録されています。この楽曲、ボーカル柳田が「最近神サイを知った人に聞いてほしい楽曲」に選んでいます。

この質問を受けたインタビューにて、柳田はこの曲は自分史上一番完成された楽曲であると話しています。インタビューを受けた2021年当時、バラード寄りの楽曲が注目を浴びることが多かったからこそ聞いてほしいと熱弁しています。

未来永劫


2021年放送の「ワールドトリガー 2ndシーズン」のエンディング曲としてお披露目されたこの楽曲。作中の登場人物と柳田自身の人生が被る部分も多かったそう。

インタビューによると、彼自身に中高6年間ともに過ごした親友がいるのですが、その関係性と「ワールドトリガー」の主要登場人物である修・遊真・千佳の関係が非常に近いとのこと。楽曲作成の際も彼らの関係性に着目して制作をしたと話しています。

環境が変わっても柳田が親友たちと仲が良いように、登場人物たちの関係も未来永劫続くように。そんな思いがこもっています。

柳田は彼とその親友について書いたと話していますが、他のメンバーは神サイそのものについて書いていると感じたと語っています。特にラストの大サビの展開は、神サイの4人で世界を切り開けるような明るさを感じさせます。

タイムファクター


2021年10月に配信リリースされた9枚目のシングル。「未来永劫」に続き、アニメ「ワールドトリガー 3rdシーズン」のテーマソングとして書き下ろされたものです。

この楽曲の制作時期は先述したコラボ曲「初恋」と被っており、「タイムファクター」の楽曲制作にも良い影響を与えたのだとか。ミックスの手法も変わり、ギター・ベース・ドラム各々の良さをしっかり出しながら形にしています。その結果、本人たちも納得のグルーヴ感を持つ楽曲に仕上がりました。

完全書き下ろしということもあり、この楽曲はワールドトリガーの世界観が満載。歌詞は作中に出てくる組織「ボーダー」の最高司令官の目線で書かれています。この最高司令官・城戸はファンの間でも謎が多い人物であり、彼の過去については多くの考察記事も見受けられます。作品の一読者である柳田も多くの考察を経て、この楽曲を作り上げています。

ジュブナイルに捧ぐ


メジャーデビュー直前の2020年2月にリリースしたミニアルバム「理 -kotowari-」のリード曲です。先行配信されたこの楽曲では、「自分らしく生きる」というメッセージが込められています。

制作のきっかけは彼らのスランプですが、そこから彼らのファン層である10代・20代に向けたメッセージになるよう普遍性高く仕上げています。

10代・20代の若者といえば、色々な大人からの願いと本人の思いの中で揺れ動く時期。大人から課されるしがらみに縛られるのではなく、自分らしさを見つけ、生きていてほしい。雲間から太陽が差し込むような、一縷の希望を見出してほしいという思いを込めたとインタビューにて語っています。

胡蝶蘭


「ジュブナイルに捧ぐ」と同じミニアルバムに収録されており、特に人気を集めている楽曲です。

楽曲は当時の彼らにとっては少し珍しいメロウサウンド。YouTubeにアップされているPVはリリースから1か月後の公開ということで、PV公開を待ち望んでいた声も多数見受けられます。このPV公開から数か月後には「夜永唄」のリバイバルヒットが待っているのですが、「夜永唄より胡蝶蘭のほうが好き」というファンも見受けられます。

ちなみに曲名でもある胡蝶蘭の花言葉は「幸せが飛んでくる」「あなたを愛しています」。出会わなければよかったなんて思っていないけど、きっと君は幸せになってくれるはず。切ない歌詞がまた感動を誘います。

番外編・目指せエンタメ系!?最近アップされた意外な動画

バンドとしてだけでなく、SNSでの活動にも注力している彼ら。日常的な動画が多いTikTokとは異なり、彼らのYouTubeチャンネルにアップされている動画はPVや生配信が中心です。しかし、時折いわゆる企画系YouTuberがやりそうなエンタメ色が濃い動画もアップされています。その名も「神はサイコロを振らんばい」。

公式YouTubeチャンネル内に専用の再生リストもまとまっており、更新頻度は少ないものの何とも言えない笑いを提供しています。ちなみに最新作は、2021年に開催されたツアー「エーテルの正体」終了後に行ったキャンプの様子をまとめた「神サイキャンプ」です。

また、2022年には彼らのファンもいる大阪大学発のYouTubeグループ「積分サークル」の動画にも参加。

TikTokに限らず、YouTubeでも日常系の動画のアップが増えるかもしれません。

さいごに

ここまで取り上げた10曲の中のうち、ミニアルバムに収録済みであるRAM・ジュブナイルに捧ぐ・胡蝶蘭以外は2022年3月にリリースされたフルアルバム・事象の地平線に収録されています。

このアルバムは彼らのメジャーデビュー以降の楽曲がほぼ入っており、「最近神サイを知った」という方や、5月からスタートする全国ツアーの予習にもピッタリ!大ボリュームの内容になっていますので、一度手に取ってみてはいかがでしょうか?

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