学生生活で最もドラマチックなイベントと言える卒業式、その卒業式に欠かせないのは卒業ソングですよね。
卒業ソングをみんなで歌うからこそ、卒業式は単なる式典から長く記憶に残る思い出となります。
そこで今回は、小学校をはじめ実際に学校で唄われている人気の卒業ソングをご紹介します!
「仰げば尊し」などの誰もが知っている合唱曲やアーティストが歌っている卒業ソングと、学生に限らない広い意味での卒業を歌っていたり、泣ける曲や明るい曲など、様々な卒業ソングを選びました。
目次
今歌われている!人気の卒業ソング
仰げば尊し
仰げば 尊し 我が師の恩
と始まる「仰げば尊し」は、誰もが一度は歌ったことがあるザ・卒業ソング、と言えるほどではないでしょうか。
この曲の歴史は古く、1884年(明治17年)に発表されたものが現在まで歌い継がれています。
実は作曲者は現在でも不明ですが、1871年にアメリカで出版された音楽教材に載っていた「SONG FOR THE CLOSE OF SCHOOL(学校教育の終わりのための歌 )」が原曲ではないかと言われています。
多くの映画やドラマにも卒業ソングとして使われているだけでなく、SMAPや薬師丸ひろ子さんなど多くのアーティストにカバーもされています。
旅立ちの日に
1991年に作られた「旅立ちの日に」も、今では定番の卒業ソングです。
埼玉県にある秩父市立影森中学校で誕生したこの曲は、作詞を当時の校長である小嶋登さん、作曲を音楽教諭の坂本浩美さんが手掛けました。
同時に赴任してきた小嶋登さんと坂本浩美さんは、赴任直後から生徒が校歌を歌うときや挨拶する際に元気がないことが気になっていました。
そこで小嶋登さんは「歌声の響く学校」を掲げて、歌で生徒を元気にしようと行動を始めた結果、明るく元気な学校に劇的に改善。
2人が赴任した当時の1年生だった生徒の卒業式に合わせて、坂本浩美さんは小嶋登さんに提案して「旅立ちの日に」が完成。
卒業式の当日に全教職員による一度きりのサプライズプレゼントとして合唱しましたが、翌年からは卒業生が歌い始めるようになり、次第に近隣の学校だけでなく全国に広がっていきました。
絆
2010年に音楽の教科書に掲載されてから、瞬く間に代表的な卒業ソングのひとつになったのが、「旅立ちの日に」です。
この曲は、国立音楽大学出身で、現在は東京都内の中学校で教員をしている山崎朋子さんによるもの。
モーツァルト、ショパン、ビリー・ジョエル、桑田佳祐さんなどから影響を受けた、シンプルで美しい旋律の曲を多く作っています。
君と僕との絆は宝物、時が過ぎ遠く離れても忘れないよ
と、例え離ればなれになっても友達の大切な絆は繋がっている、という歌詞が印象的です。
変わらないもの
「変わらないもの」の作詞作曲も、「絆」を作った山崎朋子さんです。
山崎朋子さんらしいシンプルで美しい旋律の曲ですが、
ずっと ずっと
立ち止まってはいられない
いつか その手を離したら
自分の未来を さあ つかみ取るんだ
と、「絆」よりも明るく前向きで力強く未来に進んでいこうとする強い意志が特徴です。
山崎朋子さん自身の離任式の際に作った曲で、『生徒だけではなく、先生も学校を離れるときには寂しい。ただ、出会った人のことを忘れることはなく、何年経っても離れるときの寂しさも忘れることはない。その思いを少し明るい曲にしました。』と説明しています。
桜(コブクロ)
ここからは学校教育に携わっている方々ではなく、アーティストによる卒業ソングです。
小渕健太郎さんと黒田俊介さんのデュオコブクロの名前を一躍広めたのが、2005年11月にリリースされた「桜」です。
まだストリートで活動していた頃に作られたこの曲は、第47回日本レコード大賞の金賞を獲得し、オリコン週間ランキングでは3位にランクインしました。
歌詞に「卒業」の言葉が一度も使われておらず、元々卒業ソングとして制作したものではありませんが、歌われている内容から国語の教科書にも掲載されるほどの定番卒業ソングになっています。
卒業(コブクロ)
結成20周年の全国ツアー後に、小渕健太郎さんはニューヨークでミュージカルやライブを観て、これまではタイアップなど何かの為に曲を作ることが多かったので、『フラットな状態でそのとき作りたい歌を作ろう』と作り始めたのが「卒業」です。
2020年3月に31st シングルとしてリリースされた「卒業」は、結成当初以来久しぶりに2人の共作です。
1人称が多い卒業ソングのなかで、卒業するときの自分の視点と、数年後に学生生活を思い出している大人になった視点の両方を持った歌をと制作されました。
さくら(森山直太朗)
2003年3月リリースの2nd シングルであり、森山直太朗さん最大のヒット曲「さくら」も、卒業ソング・桜ソングの定番です。
友人の結婚式の為に作られたこの曲には、バンドや合唱など複数のバージョンがありますが、最も良く知られているのは森山直太朗さん1人で歌う独唱バージョンで、チャートで1位を獲ったのも、卒業で歌われているのも独唱バージョンです。
活動当初から楽曲制作は、高校のサッカー部の後輩だった御徒町凧(おかちまちかいと)さんと共作しており、実質ユニットともいえる森山直太朗の普遍性やポップさは、御徒町凧さんの影響が大きいとも言われています。
卒業写真(松任谷由実)
松任谷由実さんの結婚前の荒井由実名義での代表曲が、音楽情報誌の「心に残る思い出の卒業ソングの総合ランキング」で1位を獲得するなど、卒業ソングの定番でもある「卒業写真」です。
作詞作曲を荒井由実さんが手掛け、編曲はテレビ創成期から多くのテレビ番組や映画、ヒット曲を生み出してきた服部克久さんが行っています。
今でこそ松任谷由実さんの曲として知られていますが、元々はHi-Fi SET(ハイ・ファイ・セット)というコーラスグループの、デビューアルバム「卒業写真」の表題曲として提供されたものでした。
歌詞にある「あの人」とは、異性や友達でもなく、高校時代に通っていた美術教室の女性教師だそうです。
東京芸大を目指していた松任谷由実さんに、創作というものを教えてくれたのがこの先生でした。
贈る言葉(海援隊)
海援隊のヴォーカル武田鉄矢さん主演のドラマ「3年B組金八先生」の、1979年からの第1シリーズ主題歌だった「贈る言葉」も卒業ソングの定番曲です。
ただ、この曲も卒業のことを歌ったものではありません。
これから始まる 暮らしの中で
だれかがあなたを 愛するでしょう
だけど 私ほど あなたの事を
深く愛した ヤツはいない
と歌詞にあるように、本来は失恋ソングとして制作されましたが、学校を舞台にしたドラマの主題歌ということなどから卒業ソングとして歌われるようになりました。
武田鉄矢さんによると歌詞の一部は太宰治の「斜陽」から引用し、海援隊のギター千葉和臣さんが手掛けた曲は、映画「エデンの東」のテーマソングにインスパイアされて作られています。
トモエ学園(福山雅治)
この曲は、女優の黒柳徹子さんの半生を描いたドラマ「トットちゃん!」の主題歌として、福山雅治さんが黒柳徹子さんの母校トモエ学園をモチーフに制作されました。
「今、思っていることを、誰よりも好きになること。もっともっと、好きになること」をテーマに、自分という個性を大事にして欲しいと伝えています。
MVは福山雅治さんの母校である長崎市立稲佐小学校で撮影されました。
青春フォトグラフ(Little Glee Monster)
「研ぎ澄ました歌声で人々の心に爪痕を残す」女性ヴォーカルグループのLittle Glee Monsterが、2015年3月にリリースした2nd シングル「青春フォトグラフ」です。
最後に写真を撮ろうよ…..ほら 最高の顔で ポーズ! ほら 最高の顔で ピース!
と、写真をテーマにした希望を胸に明るく旅立てる卒業ソング。
東京都の清澄白河にある中村中学校・高等学校で撮影されたMVは、学生達の普段のリアルな姿を映しています。
YELL(いきものがかり)
2021年に実施した「gooランキング」の「自分にとって一番泣ける卒業ソング」で3位になったのが、いきものがかりの代表曲「YELL」です。
「YELL」は、こちらも代表曲の「じょいふる」との両A面シングルで、2009年9月に15th シングルとしてリリースされました。
日本最大級の合唱コンクールであるNHK全国学校音楽コンクール中学校の部の、2009年の課題曲として制作された、合唱の為の曲でもあります。
第42回日本有線大賞では有線音楽優秀賞、第51回日本レコード大賞で優秀作品賞を受賞し、いきものがかりの歴代シングルの中で「ありがとう」に続く2番目のセールスを記録しています。
3月9日(レミオロメン)
ロックバンドレミオロメンの2nd シングル「3月9日」は、オリコンが実施した「10代・20代にとっての定番の卒業ソング」で、2007年から2011年まで5年連続1位を獲得し殿堂入りを果たしたほどの、卒業にピッタリな曲です。
バンドを代表する曲の「粉雪」と共に、ドラマ「1リットルの涙」の挿入歌に起用されたことをきっかけに、レミオロメンを知らなかった人にも広く知られることになりました。
堀北真希さんが登場するMVからわかるように本来は結婚式の為に作られた曲ですが、冒頭に卒業式を終えた高校のシーンがあること、「3月」「桜」など卒業を連想するワードや歌詞の内容から、定番の卒業ソングのひとつになっています。
友よ~この先もずっと…(ケツメイシ)
ヒップホップやレゲエを基調としたケツメイシの29th シングル「友よ 〜 この先もずっと…」も、離れてしまう友達を思う曲であることから、人気の卒業ソングです。
2016年公開の劇場アニメ「映画クレヨンしんちゃん 爆睡! ユメミーワールド大突撃」の主題歌として、書き下ろされました。
主に子供向けの映画ということで、わかりやすさを心がけ、「ずっと友だちでいよう!」「結婚しよう!」と子供の頃に何気なく言っていたことを思い出して歌詞にしたそうです。
道(EXILE)
2007年2月リリースのEXILEの23rd シングル「道」は、卒業・旅立ち・出会いをテーマにしており、全国カラオケ事業者協会が選ぶ「卒業シーズン推薦ソング」にも選出されています。
ヴォーカルのTAKAHIROさん加入後に、初めてオリコン週間ランキングで1位を獲得した曲で、リリースから7年後の2014年にダウンロードでミリオンセールスを記録しました。
「希望」「夢」「愛」「心」「勇気」「友」「笑顔」
といったワードが散りばめられたストレートなバラードです。
遥か(GReeeeN)
2009年公開の映画「ROOKIES -卒業-」の主題歌であり、恋愛とは限らない、家族や絆といった広く大きな愛について書かれた曲です。
歴代アーティストのトータルダウンロード数が1380万再生で4位に入っているGReeeeNの曲の中でも、500万ダウンロードを超えているGReeeeNの代表曲です。
デビュー10周年を記念した企画でGReeeeNの楽曲にまつわるエピソードを募集し、選ばれたものを基にショートムービー「遥か」帰省、母の車篇も制作されました。
まとめ
今回は、これから卒業式を迎える方や、学校を卒業した後に当時を振り返りたい方にもおすすめしたい、卒業ソングをご紹介しました。
卒業ソングを聴いて、春から始まる新生活を始めましょう!