世界的に見ると一時期の勢いが鳴りを潜めたように思えるロックですが、ここ日本では「邦ロック(邦楽ロック)」と呼ばれるジャンルが今なお健在です。
邦ロックの人気アーティストをメインアクトとする音楽フェスが数多く開催され、集まった音楽ファンたちを熱狂させています。また、独自のカラーを全面に打ち出した自主フェスを開催するアーティストの存在も今では珍しいものではありません。
当記事では、現在の邦ロックシーンを形作ったと言っても過言ではない、音楽シーンに多大なインパクトをもたらした重要アーティストたちを徹底解説していきます。
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目次
邦ロックとは
邦ロック(邦楽ロック)とは、その名の通り“日本のロック”を表す言葉です。
しかし、その定義は明確ではなく、邦ロックの解釈は“音楽ファンの数だけ存在する”と言えるでしょう。
ある人にとっては邦ロックシーンに属するアーティストだけれど、ある人にとっては邦ロックシーン外のアーティストである、といったことが当たり前に起こりうるほど曖昧な概念です。
唯一の絶対条件は、日本の音楽シーンに軸足を置いて活動していることだけかもしれません。
邦ロックの起源となるアーティストの筆頭として名前が挙がるのが、1970年にデビューしたはっぴいえんどでしょう。細野晴臣、大瀧詠一、松本隆、鈴木茂というその後の日本音楽史にその名を刻む4人が在籍した伝説のバンドです。
黎明期の日本のロックは、西洋音楽への憧憬を色濃く反映したものが主流でしたが、そこから脱却を果たしたのがはっぴいえんどでした。日本人としてのアイデンティティを“ロックにそぐわない”と排除するのではなく、それらを巧みに融合させることで、今日まで続く邦ロックの基礎を築きました。
音楽ファンそれぞれの中に存在する“邦ロックの基準”がもっとも重なり合う場所、そこにいるアーティストたちを「邦ロックシーンの重要バンド」と位置づけ、年代別に選出した全20組を解説します。
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邦ロック・1990年代 Part.1
スピッツ
1990年代に限らず、1990年以降の邦ロックを代表するアーティストとしてシーンに君臨するのが、35年以上の長きにわたって不動のメンバーで活動を続けるスピッツです。
美しい日本語と普遍的なメロディ、楽曲を鮮やかに彩るアルペジオなど一聴しただけで彼らだとわかるシグネチャー・サウンドを確立しました。
1995年に“ロビンソン”で大ブレイクして以降、現在に至るまで浮き沈みを経験することなく理想的なバンド活動を続けるバンドです。
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エレファントカシマシ
スピッツと同じく不動のメンバーで活動を続けるエレファントカシマシも邦ロックを語る上で欠かせないバンドのひとつです。
40年超に及ぶバンドの歴史には浮き沈みを経験した時期もありましたが、現在は新たな黄金期とも呼べる充実した活動内容で健在ぶりを示しています。
フロントマンである宮本浩次のキャラクターが目立つ印象ですが、彼の情念剥き出しの歌唱に負けない鉄壁のバンドサウンドも大きな魅力の重鎮バンドです。
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