目次
『声』各形態限定収録楽曲
Need you
作詞:ONIGASHIMA
作曲・編曲:Justin Reinstein
ここからは、各形態毎に限定収録された楽曲をご紹介していきましょう。
SixTONESと言えば、リアルで切ない失恋ソングも持ち味の1つ。そんな彼らが送る最新の失恋ソングが、初回A盤に限定収録された『Need you』です。
作詞したのは、お馴染みWHITE JAMのONIGASHIMA。本作では元恋人への未練が断ち切れず、苦悩する男性心理を繊細に描き出しました。
作曲したJustin Reinsteinは、日韓のアイドルを中心に楽曲提供を続けている音楽プロデューサー。直近の人気曲には、TWICEの『Celebrate』や『Perfect World』、NiziUの『虹の向こうへ』等があります。
ONIGASHIMAとJustin Reinsteinが共にSixTONESの楽曲を手掛けるのは、『You & I』に引き続き2度目となりました。
『Need you』で興味深いのは、歌詞と音楽のギャップです。
主人公のやるせなさをダイレクトに表現した歌詞に対し、それらを包むエレクトロサウンドは驚くほど清涼感にあふれているのです。
これは、もう会えないと理解している理性と抑えきれない本能の切望が、表裏一体となって描かれているのではないでしょうか。
何より楽曲として美しく、全てを吐き出した後の倦怠感と爽快感を同時に感じられるような作品です。
STAMP IT
作詞:MiNE / Atsushi Shimada
作曲:Simon Vestergaard / Andreas Ringblom / Rasmus Gregersen
編曲:Ralz
『STAMP IT』も、初回A盤限定で収録された楽曲です。
共通楽曲の『Risky』や『SUBWAY DREAMS』に引き続き、天才凡人のMiNEとAtsushi Shimadaが作詞を担当しました。
「スタンプする、刻印を押す」という意味を持つ『STAMP IT』は、一言で表すと”ドSなSixTONES”を堪能できる官能的な楽曲です。
本作は終始独占欲に満ち溢れ、自分の物であるという印を付けようと「僕」はあの手この手で「君」を攻略していきます。
その手段として手足の拘束や目隠しといった物理的な方法に加え、精神的に支配していく様子も読み取ることができます。
「白いcanvasに互いに絵を描く」という歌詞からは、「僕」と「君」がお互いの色に染まりたいと切に願っていることが分かるでしょう。
例え過去に恋人がいたとしても、全て上書きしてやるという強い覚悟がうかがえます。
『STAMP IT』ではフレーズの端々で身体的な交わりを匂わせていますが、「僕」はその行為に芸術性すら感じているのです。
音楽的にもブレイクを効果的に用いながら、注目させたいポイントに自然と集中させるよう計算して作曲されています。
音の足し引きにおける絶妙なバランスが、楽曲の艶やかな魅力をより一層引き立てました。
OPA!(Shintaro Morimoto×Juri Tanaka)
作詞:ONIGASHIMA
作曲・編曲:Josef Melin
SixTONESのアルバムで恒例になりつつあるのが、初回B盤限定で収録される2人ずつのユニットソングです。
3rdアルバム『声』では、今までと異なるメンバーの組み合わせで新曲を録り下ろしました。
森本慎太郎と田中樹が歌う『OPA!』は、ポルトガル語で驚きを表す感嘆詞。エキゾチックなメロディーで聴き手のボルテージを上げていきます。
本作では『PARTY PEOPLE』や『Need you』に引き続き、ONIGASHIMAが作詞を担当。
さらに『Sing Along』や『Risky』を提供したJosef Melinが作曲を手掛け、中毒性の高いEDMチューンを生み出しました。
脳神経を侵食するような特徴的なリフレインは、楽曲のミステリアスさを演出しています。
また、森本のクリアで明るい声のトーンと田中の威圧感のある低音が見事に活かされていることに加え、お互いのパートを交換しても問題なく成立してしまう歌唱力の高さも見せつけました。
ラ・ラ・ラ・ラブストーリー(Taiga Kyomoto×Yugo Kochi)
作詞:イワツボコーダイ
作曲:吹野クワガタ / イワツボコーダイ
編曲:吹野クワガタ / Naoki Itai
『ラ・ラ・ラ・ラブストーリー』は、京本大我と髙地優吾のユニットソング。煌びやかでポップな世界観が2人の魅力を前面に押し出しました。
作詞・共作曲に携わったのはイワツボコーダイ。SixTONESには、『うやむや』『Rosy』『シアター』等を提供してきました。
そして、アイドルや声優にも幅広く楽曲提供している吹野クワガタと、SixTONESの『NEW ERA』を手掛けたNoki itaiが共作曲・共編曲を担当しました。
『ラ・ラ・ラ・ラブストーリー』は、90年代に流行した”渋谷系”を思わせる1曲。ビッグバンドで奏でる華やかなジャズテイストが印象的です。
映画のワンシーンを切り取ったような歌詞は、聴き手を非日常へと誘ってくれることでしょう。
本作は、主人公の多幸感を歌うことで「君」ヘの愛情を表現した新しいラブソング。
同時に、京本と髙地のキュートさを詰め込んだ唯一無二の作品です。
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— SixTONES / ソニーミュージック (@SixTONES_SME) December 17, 2022
愛という名のベール(Jesse×Hokuto Matsumura)
作詞・作曲:Shingo Asari
編曲:ha-j
つづいて、ジェシーと松村北斗のユニットソング『愛という名のベール』をご紹介しましょう。
本作において魅力的な要素の1つは、大人の恋ならではの艶やかさです。
嘘か真か分からない言動で主人公を惑わす「あなた」に対し、危ないと分かりつつもその深みにはまってしまう男性心理を緻密に描き出しました。
作詞・作曲を手掛けたのは、Shingo Asari。V6の『プールサイド・マーメイド』や嵐の『ひとりじゃないさ』等、多彩な音楽ジャンルでジャニーズに楽曲提供してきました。
また、編曲を手掛けたha-jも、KinKi Kidsや嵐を中心にジャニーズ関連の編曲を数えきれないほど担当しています。
恋愛を通して制御不能になっていくさまは、まさにリアル。一度ハマったら二度と這い上がることは出来ない底なし沼のような依存性を感じさせます。
ジェシーと松村はその美しい歌声をもって、この難しい題材を繊細に表現しました。
Cat Call
作詞:JUN
作曲:Alexander Karlsson / Alexej Viktorovitch
編曲:JeL
続いてとりあげるのは、通常盤に収録された『Cat Call』です。
本作において「Cat Call」とは、恐らく「猫撫で声」のような意味で捉えられており、終始猫の鳴き声を模した合いの手が盛り込まれています。
しかし、この「Cat Call」の語源を辿ると、猫の甲高い声からブーイングやヤジを意味する他、通りすがりの女性に下心を持って声を掛けることも指します。
これらの要素を踏まえて歌詞の内容を辿ると、猫特有のしなやかさや気まぐれな性格を性的な魅力と掛け合わせて楽曲に落とし込んでいることが分かります。
作詞を手掛けたJUNは、日韓の人気アーティストの楽曲を手掛ける名プロデューサーです。
代表作にはBTSの『Let Go』や『Your eyes tell』、TREASURE『BEAUTIFUL』が挙げられます。さらにジャニーズ関連では、ジャニーズWESTの『PUSH』や三宅健のソロアルバムに収録された『Destination』にも携わりました。
作曲したAlexander KarlssonとAlexej Viktorovitchは、JeLというデュオでストックホルムを拠点に活動するアーティスト兼プロデューサーです。
2019年にはTWICEの『RAINBOW』を共作曲。さらに、2023年2月1日にリリースされた東方神起の『PARALLEL PARALLEL』では作曲を手掛けました。
国際的に活躍する作り手の感性とSixTONESの特性が融合し、他に類を見ないユニークな作品が生まれました。
本作は”猫”をテーマにした楽曲ですが、何ものにも縛られない自由さで周囲を魅了していく様は、SixTONESそのものの魅力にも重なるのではないでしょうか。
Again
作詞:Sam Homma
作曲:Casper Redson / Carlos K.
編曲:Carlos K.
3rdアルバム『声』の最後を飾るのは『Again』です。
作詞したSam HommaはUNIONEのメンバー・SAMとしても活躍するアーティスト。
本作は恐らく失恋ソングとして描かれていますが、美しく洗練された言葉の数々は恋愛という枠を飛び越え、様々なシチュエーションに当てはめることができます。
自分にとって本当に大切な物は何だったのか、しみじみと気づかせてくれる作品ではないでしょうか。
2023年1月4日発売、
SixTONES 3rdアルバム(通常盤)「声」のラスト曲「Again」の作詞を担当させていただきました。心を込めて書いたので、たくさんの方に聴いてもらえたら嬉しいです🫶#SixTONES_声#SixTONES_Again pic.twitter.com/Rwy1fZ1yXx
— SAM(J4M) (@sam_unione) January 4, 2023
共作曲・編曲を担当したCarlos K.は、SixTONESの過去作で『Life in color』の作詞や『Call me』の作曲を手掛けました。
さらに、彼と共作曲したCasper Redsonは『Cassette Tape』の作曲も務めており、SixTONESにとって馴染みのあるアーティストが再集結しています。
『Again』から滲み出るのは、やりきれない後悔とわずかな希望。
全体を通して切ないミディアムバラードでありながら、「君に会いたい」という想いに前向きなエネルギーが感じられる不思議な作品となっています。
繊細なピアノのメロディーにつづいて本心を吐露するうちに、歌声にも感情が色濃く表出していきます。
主人公も気持ちを言葉にすることで、「君に愛してると言ってほしい」という自分の本音に気づいたのかもしれません。
『声』というアルバムタイトルに相応しく、SixTONESの歌声を堪能できる無駄のない楽曲構成は秀逸です。