目次
1stアルバム『1ST』(発売:2021年1月6日)
ST
デビューから約1年、ついにSixTONES渾身のフルアルバム『1ST』がリリースされました。『ST』は、そのリード曲に相応しいエモーショナルな楽曲です。
『ST』の歌詞には、得も言われぬ重みがあります。その理由は、この楽曲が無責任な応援歌ではないからでしょう。メジャーデビュー後も現状に満足せず、アグレッシブな姿勢を貫き続けるSixTONES。『ST』を飾る言葉1つ1つには、常に挑戦者でいようとする彼らならではの説得力があります。自分の限界を突破していきたい人にとって、SixTONESが共走してくれているような心強さを感じられる1曲です。
Special Order
わずか3分ほどの楽曲とは思えないほど強烈な印象を残していくのが『Special Order』。SixTONESらしいパワフルなダンスチューンに仕上がっています。
『Special Order』とは「特別に下された任務」のこと。この楽曲はまるで戦闘中のような気迫があります。重低音で響くビートにのせて、銃を乱射しているような連打音が重なります。歌詞の中には、ファンであろうがアンチであろうが、すべてを巻き込んでしまおうとするSixTONESの力強さが浮き彫りになっています。彼らの圧倒的なカリスマ性が滲み出ている楽曲です。
Curtain Call
大好きだった恋人との別れを歌った失恋ソング。 泣き疲れた後のように、尾を引く切なさと少しの爽快感が入り混じっています。
作詞・作曲・編曲の全てに携わっているのがRyo’LEFTY’Miyataです。彼は元々、ボカロPの「レフティーモンスターP」として活動を始め人気を集めました。また、幼少期から習っていたピアノやエレクトーンをはじめ、学生時代にバンドで鍛えたギターやベースの腕前を活かし、サポートメンバーとして様々なアーティストと共演しています。
『Curtain Call』では、Ryo’LEFTY’Miyataならではのデジタルとアナログ、両方の要素が織り込まれています。メロディーはどちらかというと機械的ですが、近年人気のボカロ曲とは一線を画し、人が自然に息を取れるようなフレージングを意識して作詞作曲されています。今らしいサウンドなのに耳馴染みが良く、まさにしっくりくる楽曲です。
Dance All Night
冒頭の特徴的な電子音に始まり、全面的にテクノボイスを取り入れた近未来的な楽曲です。SixTONESの楽曲にもEDMはたくさんありますが、その中でも『Dance All Night』は群を抜いてエレクトロな雰囲気に作り上げられています。歌割りに注目して聴いてみると、これまで気づけなかったメンバーの個性に驚かされます。
振り付けにもロボットダンスが取り入れられ、見ても聞いても楽しめるように構成されています。聞けば思わず踊りだしたくなる、そんなEDMダンスチューンです。
S.I.X
『S.I.X』は、ステージに立って観客を圧倒するSixTONESそのものをテーマにしています。この6人が集まれば向かうところ敵なしという強い自信が浮き彫りにされています。
実は、2枚目のシングルの制作中から温めてきたこの楽曲。アルバムに入れたいという、メンバーかねてからの要望が今回ついに実現しました。SixTONES主体で様々な案を盛り込んだそうで、6人を象徴した『S.I.X』というタイトルに決めたり、ファンと一緒に盛り上がれるようにクラップ音を取り入れたりしたそうです。コンサート前にこの楽曲を予習しておけば、ライブをより一層楽しめること間違いありません。
Coffee & Cream
恋人同士がゆったりと過ごす幸せなひと時を描いた『Coffee & Cream』。作詞・作曲は、お馴染みTOMOKO IDAとTSUGUMIです。彼は彼女を大好物の甘いコーヒーに例え、甘く愛を囁きます。「Lazy な朝は everything is moving so slow(のんびりな朝は全てがゆっくり動く)」のように、体感を通した表現がそこら中に散りばめられています。混ざり合う『Coffee & Cream』のように、恋人達の心が1つに溶け合う様子をオシャレに映し出しました。
この楽曲のレコーディングでは、たまたま早めに録音を終えたジェシーや森本のボイスニュアンスが良かったらしく、スタッフが彼らの良い部分をピックアップして他のメンバーにも共有したそうです。この制作秘話からは、お互いの長所を活かして作品に昇華できる「チームとしての強さ」も感じられました。『Coffee & Cream』は、SixTONESの歌声も1つに混ざり合ったチル系HIPHOPです。
Lifetime
アルバム本編を締める壮大なバラード『Lifetime』。この楽曲には、宇宙をも身近に感じさせるような荘厳さがあります。冒頭のジェシーの美しいソロに始まり、丁寧にフレーズを紡ぐSixTONESの歌声には、あらゆるものを惹きつける魅力があります。歌詞にはSixTONESのこれからに対する想いや、ファンへのメッセージが込められています。
出光興産のCM曲にも起用され、ジャニーズアイドルの楽曲とは知らずにハマル人も続出しています。楽曲の良さを引き出せるということは、同時にそのアーティストのパフォーマンス力の高さを意味しています。これまでにジャニーズは聞いた事がないという人にとって、SixTONESは新しい窓口になりつつあるのです。
うやむや
『1ST』のdigeST movieでは一瞬しか流されず、謎に包まれていたこの楽曲。2021年1月7日にYouTubeで全貌が明かされると、その人気はファン内外を問わず大きく広がりました。『うやむや』は、いわゆるボカロ調の楽曲です。高いBPMや音の多さ、主旋律に並走するようなキーボードのメロディーラインなど、近年流行りのボカロ曲の特徴を捉えています。また、全編アニメーションを採用して楽曲の世界観を描くなど、ボカロ界隈へのリスペクトも感じられます。
この楽曲は理解しようにも掴みどころがなく、文字通り「うやむや」な楽曲です。MVでは、これまでのSixTONESの楽曲を表したモチーフが集合していたり、デビュー前のオリジナル曲『Jungle』に登場する動物がイラストになって飾られていたりと遊び心に富んでいます。
▼あわせて読みたい!
Mad Love
「狂った愛」という意味のこの楽曲は、今のSixTONESだからこそ出来る「大人のHIPHOP」です。冒頭から、これまで聞いた事のないような田中の低音に圧倒されます。作詞は『RAM-PAM-PAM』や『Telephone』を手がけたONIGASHIMA。全編英語詞の『Mad Love』では、「RAM-PAM-PAM」をセルフサンプリングしているのも見逃せないポイントです。
松村は、大人の男女の関係を描いた楽曲を歌う時、女性っぽさを意識して歌っていると語っています。この楽曲を聴くと、SixTONESが音楽表現において、吐息までも巧みに利用していることが分かります。妖艶さを引き出すために、彼らが様々な工夫を凝らしていることが伝わってきます。
インストゥルメンタルに目を向けると、この楽曲の影の主役はベースです。陰に潜んでいるように見えて、この楽曲の主導権をしっかりと握っています。SixTONESのクリアな歌声とドスの効いたベースの対極さが『Mad Love』の背徳感をさらに引き立てています。