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4thシングル『HELLO HELLO』(発売:2021年7月14日)
HELLO HELLO
『HELLO HELLO』は、前作の『Grandeur』から約半年ぶりにリリースされたSnow Manの5thシングルです。この楽曲は、ラウールが初主演を務めたラブコメ映画「ハニーレモンソーダ」の主題歌に起用されました。
この映画の原作は、村田真優が描いた同名の漫画です。両親の過保護な教育の影響から、深い人付き合いを避けてきた主人公の石森羽花(吉川愛)。引っ込み思案な彼女は、進路に迷っていた矢先に偶然背中を押してくれた三浦界(ラウール)に憧れ、同じ高校に進学します。界は、ド金髪でヤンチャな性格に見られがちですが、実は困っている羽花を放っておけないような面倒見の良い面も併せ持っています。この『HELLO HELLO』では、ラウールの歌いだしから作品とリンクした歌詞が並んでいるので、映画を見た人は更に共感度が増すこと間違いありません。
漫画や映画の中では、羽花目線でストーリーが展開していくので、彼女にとって界との出会いが真新しい世界や価値観をもたらしている事が分かります。同時に、界にとっても羽花との出会いは、ポジティブな刺激になっているのではないでしょうか。
特筆すべきはサビのオリジナリティーです。ファルセットを用いたメロディーはキャッチーでありながら、ハモリの音程で4、5度を多用することで一種の無機質さも取り入れています。どこか懐かしいようなメロディーの中に感じられる真新しさが、まさに「ハニーレモンソーダ」のような甘酸っぱさを呼び起こしてます。
縁-YUÁN-
『縁-YUÁN-』は、佐久間大介が三森すずことW主演で声優を務めたアニメーション映画「白蛇:縁起」の日本語吹き替え版の主題歌です。この映画は、中国に古くから伝わる伝説「白蛇伝」をベースに、千年の恋を描いた作品。ロマンティックなストーリーや3Dアニメ―ションで制作された映像美も相まって、大きな反響を呼んでいます。
この楽曲では、琴や二胡といった中国の伝統的な楽器を取り入れ、映画の雰囲気に沿った世界観で構成されています。”巡り巡る運命の赤い糸”をテーマに掲げ、Snow Manがドラマティックに歌い上げています。
歌詞の中には、中国語で”私はあなたを愛している”を意味する「我愛你(ウォーアイニー)」が随所に差し込まれています。壮大な音楽と普遍的な愛の言葉の対比が非常に心地よく調和した楽曲です。
YumYumYum~SpicyGirl~
4thシングルの中でエッジを効かせている楽曲が『YumYumYum~SpicyGirl~』です。作詞を担当したのはJazzin’parkの栗原暁。既にご紹介した通り、彼はSnow Manのデビュー曲『D.D.』の作詞を手掛けた人物です。彼が紡ぐ歌詞は、ダンスチューンにピッタリな小気味良いリズム感をはらんでいます。作曲を担当したのは、ストックホルムを拠点に活動するDidrik Thott。彼は過去にEXILEの『Rising Sun』の作曲を共作で担当しており、大ヒットを飛ばしました。作曲・編曲で参加した原田峻輔は、Sexy Zoneの『キャラメルドリーム』や、Kis-My-Ft2の『赤い果実』等を手掛けたほか、2.5次元ミュージカルやサブカル方面でも幅広く楽曲提供をしています。
MVでは、照明の切り替えだけを利用したシルエットを浮かび上がらせる演出が非常に印象的です。セットも衣装も変化していないのに、照明の効果的な使い方が場面切替の役目を果たしています。赤いサーチライトは『SpicyGirl』というタイトル通り、セクシーな危うさを表し、ピンクと青の照明は「スパイシーなだけじゃない」彼女の魅力を引き立たせています。
またこの楽曲は、ラウールと渡辺が出演しているモスバーガーのCM「スパイスサマー」篇のタイアップに起用されました。辛さとスパイスに特化した商品を、hotにヒリついた楽曲のイメージで盛り上げています。
Hip bounce!!
bounce(バウンス)とは、オーストラリアで生まれたEDMの一種で、思わず踊りだしたくなるようなノリノリなサウンドミュージックです。バス・ドラムの低音部分を指すキックの裏にベースが差し込まれているのが大きな特徴です。この楽曲も聞き込むと、冒頭からとてもカッコいいベースが散りばめられていることが分かると思います。また、印象的なフレーズを繰り返すのもバウンスの特徴の1つです。『Hip bounce!!』は、耳馴染みの良さと中毒性が両立された楽曲と言えるでしょう。
『YumYumYum~SpicyGirl~』に引き続き、『Hip bounce!!』の作詞を担当したのもJazzin’parkの栗原暁です。作曲はAlbin Nordqvist とTakuya Haradaの共作です。AlbinはSixTONESの『Special Order』を作曲しており、シンセサイザーの攻めたフレーズで切り込んでいくバウンスとは相性が良いのでしょう。一方Haradaは、嵐の『Beautiful days』やHey! Say! JUMPの『明日へのYELL』、SixTONESの『JAPONICA STYLE』等、様々なジャニーズグループにヒットソングを提供してきました。Albinの攻め込んだアバンギャルドな姿勢とHaradaが培ってきたポップなキャッチーさが見事に融合し、ヘビーローテーション間違いなしの中毒ソングが出来上がりました。
2021年7月14日に発売された4thシングル。表題曲の『HELLO HELLO』とカップリングの『縁-YUÁN-』が、それぞれメンバーが主演を務める映画の主題歌に起用されました。青春を詰め込んだ甘酸っぱい楽曲から、壮大なバラードや爆イケなバウンスまで盛り込まれており、Snow Manの”今”を深く味わえるシングルです。