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2stシングル『KISSIN’ MY LIPS / Stories』(発売:2020年10月7日)
KISSIN’MY LIPS
『KISSIN’ MY LIPS』は、最年少のラウールが出演したことでも話題になった「Dior Addict」のWeb Movieソングです。リップスティックのCMソングということで、楽曲の歌詞も「唇」や「キス」にフォーカスした内容になっています。Web Movieでは、当時16歳とは思えないほど大人びたラウールの出で立ちや、中性的な美しさが大きな反響を呼びました。
この楽曲では、Snow Manが全編英語詞に初挑戦しており、世界進出を視野に入れて制作した楽曲であることが分かります。作詞を担当したのは、岡嶋かな多(Kanata Okajima)とJAKAZ。岡嶋は、数々の名曲を世に送り出したヒットメーカーで、これまでに嵐や安室奈美恵、BTSやTWICEなどの人気アーティストに楽曲提供をしてきました。幼少期をアメリカで過ごした帰国子女ということで、『KISSIN’ MY LIPS』ではその堪能な英語力がいかんなく発揮されています。作曲家にはFATCATやSiixk Junといった韓国出身のアーティストを迎え、第一線で活躍するグローバルな面々が揃い踏みしました。
大人の恋の駆け引きを描いた『KISSIN’ MY LIPS』は、Snow Manの爽やかなイメージとは一線を画し、艶やかな男性心理が浮き彫りにされています。出会って間もない男女が、本能のままに惹かれ合う様を描いたこの楽曲。主人公の男性は淡々と、しかし確実に相手が引き寄せられるような甘い言葉を投げかけ、女性は彼に少しずつ溺れていきます。
サビの「Kissin’ my lips Kissin’ my heart」という歌詞には「唇だけでなく、僕の心にも触れてほしい」という想いが込められています。一見、衝動的に見える主人公の行動ですが、言葉の裏には”愛し、愛されたい”という彼の本音が見え隠れしています。歌割に注目すると、普段リードボーカルを務める渡辺の歌声を部分的なアクセントとしても取り入れ、楽曲全体のシェイプアップを図っています。岩本と佐久間は、宇宙まで飛んでいけそうなほど高揚した気分を本格的なラップで表現し、その圧倒的な支配力を見せつけました。
イスを使ったパフォーマンスは、洗練された大人の余裕を感じさせます。特に宮舘のダンスには、男性的な力強さと女性的なしなやかさが共存しており、強靭な体幹に裏打ちされた美しさが魅力です。この楽曲は全体的にスタイリッシュな雰囲気が漂っていますが、ハイキックなどの斬新な振付を取り入れたことでダイナミックな印象も与えています。ズルいほどカッコいいSnow Manを堪能してみてはいかがでしょうか。
Stories
『Stories』は、テレビ東京系列で放送されたアニメ「ブラック・クローバー」第11クールのオープニングテーマです。原作は、2015年から「週刊少年ジャンプ」で田畠裕基が連載している人気漫画。物語の舞台は、魔法がすべての基準となる世界。魔導士の頂点”魔法帝”を目指し、主人公の少年アスタが逆境を乗り越えながら成長していく姿を描いています。また、アニメオタクを公言しているメンバーの佐久間が、この作品で念願の声優初挑戦を果たしたことでも注目を集めました。
CGが随所に盛り込まれたMVでは、Snow Manのパフォーマンスと相まって迫力のある映像に仕上がっています。最後のシーンでは、巨大な漆黒のクリスタルが大翼に生まれ変わり、魔法に包まれた「ブラック・クローバー」の世界観を彷彿とさせます。
作詞・作曲・編曲を担当したのは、デビュー曲『D.D.』を作曲したHIKARIです。『Stories』のフルサイズ解禁後、特に歌詞に対する好反応が多く見られました。この反響を受け、HIKARIは「いい歳こいて、彼らと自分の境遇を重ね合わせ、だいぶ熱い思いで書いたので嬉しいです」とSNSで呟いています。彼の熱量を込めた『Stories』はSnow Man史上、最もエモーショナルな楽曲に仕上がりました。
Snow Man「Stories」の歌詞(フルサイズ)が良いと言っていただけているようで…ありがとうございます。
いい歳こいて、彼らと自分の境遇を重ね合わせ、だいぶ熱い思いで書いたので嬉しいです。
10月発売と少し先ですが、前作同様、たくさんの人に聴いてもらえたらいいなと思っています。— HIKARI(石津隆光) (@HIKARI_142) August 14, 2020
オープニングテーマを担うにあたり、Snow Manは「数々の試練に仲間と立ち向かう作品のテーマは、僕達「Snow Man」の想いと重なる部分があります。」とコメント。仲間と共に”最高”を更新し続けようとするSnow Manが歌うからこそ胸に響く楽曲でもあります。歌詞を見ながらじっくりと聞いていただきたい1曲です。
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君の彼氏になりたい
『君の彼氏になりたい』は、友達以上恋人未満の関係から一歩踏み出したいのに踏み出せない、そんなリアルな片思いを描き出しています。前奏では時計の針の音が再現され、「8時9時…」というように歌詞の中でも時間を刻んでいます。いつも夜の12時に帰ってしまう彼女への名残惜しさを、童話「シンデレラ」に重ね合わせて歌っています。
スウェーデン在住の作曲家Josef Melinは、半音を多用したエキセントリックな音楽で恋に悩む主人公を表現しました。非常に興味深いのは、スピード感を保ちながらも歌詞と音楽の流れが見事にリンクしている点です。特に分かりやすいサビ前後を見てみましょう。
例えば「俺の彼女に、なるつもりなの?」という期待を込めた部分では、心臓が跳ねるように音楽の中でも跳躍が見られます。つづく「冗談で言おうかな」と歌い上げる部分ではメロディーが上行し、自分の気持ちを彼女に伝えてみたいという高揚感が感じられます。突然静まり返り時計の音だけが響くと、目黒が「大好き。」と甘く囁きます。この部分はあえて無駄な音を取り除くことで、意図的にセリフへ集中させる効果をもたらしています。恐らくこのセリフは、主人公が頭の中で描いた理想の振舞いなのでしょう。
しかし、サビに入ると一変して「むりむりむり、やっぱむり」というように現実に引き戻されています。タイトルでもある「君の彼氏になりたいとか」という部分では下行形の半音を用いることで、主人公のドギマギ感や自信のない様子が伝わってきます。
この楽曲では、複雑なフォーメーションを取り入れたダンスも魅力の1つです。1度見れば癖になること間違いないので、ぜひDance Practice ver.も合わせてご覧ください。
ファンタナモーレ
公式サイトの言葉を借りれば『ファンタナモーレ』とは「Fun 楽しむ」「Cantabile 歌うように、なめらかに」「Amore 愛」「Fantastic 非常に素晴らしい、感動的」という言葉の造語です。ポジティブなエネルギーに満ち溢れたジャニーズらしい楽曲です。
作詞を務めたのは、シンガーソングライターユニット「UNIST」のGAKU。彼はSnow Man が9人体制になって発表した『朝焼けの花』を作詞・作曲した人物です。彼らの節目を見守り支えてくれたアーティスト達が、デビュー後も変わらずSnow Man を応援してくれていることが分かります。
『ファンタナモーレ』には、明るい気持ちで生きていくことで、日々が幸せなものになっていくという素敵なメッセージが込められています。どんな困難な状況に置かれていても前を向くことを諦めない、まさにSnow Man らしい楽曲です。
2020年10月7日に発売された2ndシングル。同年12月末には累積売り上げが100万枚を突破し、デビューシングルに続いて2作連続のミリオンセラーを達成しました。両A面シングルでリリースされ、『KISSIN’ MY LIPS』は「Dior Addict」のWeb Movieソングに、『Stories』はアニメ「ブラック・クローバー」のオープニングテーマに起用されました。