【全曲レビュー】Snow Man(スノーマン)のリード曲、カップリング曲を完全網羅!

【全曲レビュー】Snow Man(スノーマン)のリード曲、カップリング曲を完全網羅!

目次

3rdシングル『Grandeur』(発売:2021年1月20日)

Grandeur

前シングルに引き続き、「ブラック・クローバー」第13クールのオープニングテーマに起用されたのが『Grandeur』です。タイトルはフランス語で「(自然の)壮大さ、雄大さ」「(人格の)偉大さ、気高さ」という意味があります。MVは、楽曲の持つ気高さと力強さを凝縮させた美しい映像に仕上がりました。YouTubeでこのMVが公開されるな否や凄まじい反響を呼び、Twitter上では「#Grandeur」が世界トレンド1位を獲得しています。

この楽曲を手掛けたのは、J-POPユニット「天才凡人」のMiNEとAtsushi Shimada、そして『Creazy F-R-E-S-H Beat』を作曲したTommy Clintです。「天才凡人」は、Snow ManのJr.時代の楽曲『ZIG ZAG LOVE』『Vanishing Over』も手掛けました。それぞれの楽曲を比べてみても、毎回持ち味の全く異なる楽曲を生み出せるユニットであることが分かります。

歌詞の内容は、どんな逆境の中でも突き進んでいこうとする精神的な強さを描いています。「真実さえ飲み込む常識を break(壊す)」「逆境の先にある answer(答え)」という歌詞には、これまでに培ってきたSnow Manの気概を感じられます。厳しい現実を突きつけられながらも、彼らを突き動かしたのは「偽りのないジブンの道」を築き上げたいという信念だったのでしょう。

デビューから丁度1年後のリリースとなった『Grandeur』は、Snow Manの成長ぶりがうかがえる楽曲です。一糸乱れぬダンスや立体的なフォーメーションは、限界突破していこうとする心情を見事に描き出し、楽曲のストーリー性を高めています。

また、グループ内の身長差20㎝あるにもかかわらず、全体的にダンスが揃って見える点もSnow Manならではの強みです。高身長のダンサーは、手足が長いために動きがバタついて見えやすいというハンデがありますが、180㎝以上の岩本、目黒、ラウールのダンスには無駄がなく、スピード感を絶妙に調整することで他メンバーとの一体化を図っています。中でも目黒の動きや表情には自由さが増え、楽曲を体に落とし込んだ表現が際立つようになりました。阿部、宮舘、深澤、向井は、自身が目立つソロパートとアンサンブルを瞬時に切り替えることで作品のクオリティーを確実に押し上げています。小柄な佐久間は誰よりもダイナミックなダンスで存在感を発揮。そして渡辺は、高難度のフェイクと激しいダンスを両立させ、楽曲の魅力をさらに引き出しています。

「9人でどう勝負していくか」という試行錯誤を繰り返してきたSnow Man。『Grandeur』では、自信をもって「この9人にしか出来ないパフォーマンス」を披露しています。

Big Bang Sweet

Snow Manの弾ける甘さがたまらない『Big Bang Sweet』。この楽曲は、不二家が2020年9月15日から放送している「不二家 ルック Smile Switch」「不二家 ケーキ Smile Switch」のCMソングに起用されました。CMにもSnow Manが全員揃って出演し、不二家のデザートを美味しそうに頬張る姿が映っています。ケーキといえば特別な日に食べるイメージがあるかと思いますが、このキャンペーンには、それらを日常の中でも楽しんでほしいという願いが込められています。どんな時でも楽しむことを忘れないSnow Manにピッタリのコンセプトです。

この楽曲を共作した高木誠司と高慶”CO-K”卓史は、過去にSixTONES『NAVIGATOR』を手掛けたタッグ。サウンドにはトロピカルハウスの要素を取り入れ、まるでお菓子のような甘さと軽さを表現しています。

MVでは、白地にピンクの模様を施した衣装のSnow Manがポップなダンスを披露。クレーンを使用して撮影された映像では、角度が変わるたびにオブジェの見え方が変化したり、メンバーが背景と一体化したりと、様々な工夫や遊び心が詰め込まれています。
また、冒頭で抜かれるラウールのアップを皮切りに、コロコロ変化していくメンバーの表情も見逃せません。ここでしか見られない”あざと可愛いSnow Man”に注目です。

ナミダの海を越えて行け

『ナミダの海を超えて行け』は、現在TBSテレビで放送中の冠バラエティー番組「それSnow Manにやらせて下さい」のテーマソングです。全体的に清涼感溢れる楽曲ですが、同時に甘酸っぱさやほろ苦さも感じさせます。その理由は、この楽曲の中にSnow Manの青春そのものが描かれているからでしょう。

冒頭の歌詞には、自分だけが周りに取り残されているような孤独感が描かれています。「最終便を見送ることに気づけば慣れていた」という内容は、同期や後輩のデビューを見届けてきたJr.時代のSnow Manの姿と重なります。

華麗なアクロバットやダンスを武器に、先輩たちのバックダンサーを務めてきたSnow Manは、気づけば「職人集団」と呼ばれるほど頼りにされるグループへと成長していました。しかし、実力に反してデビューの声はなかなか掛からず、過去にはジャニー喜多川氏から「You達はこのままじゃ売れないよ」と言われたこともあったそうです。

また、公私ともにSnow Manを見守ってきた滝沢秀明は、彼らに対し「悔しがる気持ちが足りない」と叱咤したこともありました。何度も挫折を味わい、もう諦めてしまおうかという考えが頭のを過る日々。しかし、彼らは逆境をエネルギーに変換し、必ずその手にデビューを掴んで見せると心に誓って突き進んできたのです。

2019年には、メンバーを増員。大ベテランであるSnow Manの一員になるということで、加入組の覚悟も相当なものでした。当時、若干15歳ながら1人で全てに立ち向かうことを決めたラウール、苦楽を共にした「宇宙Six」でのデビューを諦めるという苦渋の選択をした目黒、慣れない環境で新たな挑戦を決めた向井。そしてSnow Manを守るために増員を受け入れた元祖Snow Manの6人。それぞれが何度も涙を飲みながら懸命にもがいたことで、Snow Manはデビューという夢を叶え、今や多くの人に愛されるグループへと成長しました。『ナミダの海を超えて行け』は、彼らの少し切なくて尊い思い出が投影された楽曲なのです。

EVERYTHING IS EVERYTHING

Snow Man 渾身のバラードソングが『EVERYTHING IS EVERYTHING』です。この楽曲では、丁度よい比重でボーカルが割り振られており、すべてのメンバーの歌声をじっくりと楽しむことが出来ます。

Snow Manの楽曲において、ここまで”歌”に特化した作品も珍しいのではないでしょうか。歌詞を見なくても聞き取れる明瞭な英語の発音に加え、ボーカルテクニックと歌声に込められた感情のバランスも絶妙です。これまであまり担当してこなかったメンバーがフェイクや被せに挑戦しており、Snow Man全体のボーカルスキルが格段に向上していることを知らしめました。彼らがリラックスして楽曲に身を委ねたことで、より上質なサウンドが引き出されています。

日本人にも聞き馴染みのある「everything」という単語。実は「全てのもの、ありとあらゆるもの」という意味の他に「最も大切な物」という意味があります。サビの「everything is everything with you」には「あなたにまつわること全てがかけがえのない物」というメッセージが込められているのです。この楽曲は、Snow Manが贈る極上のラブソングなのでした。

『Grandeur』

2021年1月20日に発売された3rdシングル。前作に引き続き、表題曲の『Grandeur』がアニメ「ブラック・クローバー」の第13クールOPに起用されました。このシングルに収録されている全4曲の内3曲がタイアップ曲という点からも、Snow Manの影響力の高さがうかがえます。それぞれタイプの全く異なる楽曲を取りそろえ、彩り豊かなシングルが出来上がりました。

この記事をシェアをしよう!

この記事を書いた人

この記事に関連するタグ

関連記事

新着記事